顔写真 鵜飼 保氏(20回生)撮影 2013年9月3日

◆追悼


稲葉真弓さん
津島高校の誇りとして、
稲葉真弓賞を
発展させてまいります。
末永く見守って下さい。
平成26年度三稜会総会 9月28日

三稜会懸賞論文と稲葉真弓さんとの関わり
2010年 60歳 津島高校創立110周年記念事業として、母校の新しい伝統として育つことを願い、三稜会懸賞論文制度を創設。審査委員長に就任いただく。(常任理事)
2011年 61歳 第1回懸賞論文 課題「未来」 最優秀賞 佐屋高校 稲山未来さん
2012年 62歳 3月29日の新聞で、大阪の高校に田辺聖子ジュニア文学賞制度があることを知り、三稜会懸賞論文を「稲葉真弓文学賞」とするヒントを得る。
第2回懸賞論文 課題「いのち」 最優秀賞 津島高校 佐藤千玖紗さん
2013年 63歳 1月、“与謝野晶子が昭和10年に、津島高等女学校で講演”の新聞記事が掲載。 “稲葉さんも将来、きっとこのように報道される人に違いない。ぜひ津島高校でも講演会を”と思い、2月の役員会に図る。4月に小川新校長に提案し、9月3日の三稜祭で、稲葉真弓文学賞・創設記念講演会として実現する。
演題「私の津島高校 裏街道を行く」 津島市民会館大ホールにて(録画保存)
「高校生の時に出会ったものは,後に何かの形で花開く」と後輩を激励された。
講演会後の会食時、「来年の表彰式には必ず出席します」との約束をいただく。
審査会にて名称を「稲葉真弓文学賞」への変更を提案。ご本人より快諾を得る。
第3回懸賞論文 課題「家族」 最優秀賞 清林館高校 布田綾乃さん
(審査会の様子と第2回最優秀賞受賞者・佐藤さんとの対談 録画保存)
2014年 64歳 5月24日 第4回懸賞論文 稲葉真弓文学賞審査会
課題「友情」 最優秀賞 津島高校 中島あさ美さん
審査会にて、次年度から“文学”を取り、「稲葉真弓賞」とすることが決定される。
審査会終了後、審査委員一同と会食。表彰式にて、ご挨拶と表彰状授与をしていただくことを再確認。出席を楽しみにしておられた。(審査会の様子 録画保存)
2月の役員会・幹事会で審査委員会の創設が決まり、引き続き審査委員長を務めていただき、5月の役員会・幹事会で特別顧問に就任していただくことが承認された。
ご逝去 8月30日 午後6時38分
稲葉さんの業績を讃えます
1966年 昭和41年 高校2年 文芸春秋が高校生から募集した「アンネフランクに贈る詞」に応募し2位獲得。文学の道へ入るきっかけになる。
1968年 昭和43年 18歳 津島高校卒業  第20回生
1973年 昭和48年 23歳 「蒼い影の痛みを」     女流新人賞
1980年 昭和55年 30歳 「ホテル・ザンビア」    作品賞
1987年 昭和62年 37歳 「眠る船」       雑誌『群像』8月号にて文芸雑誌デビュー
1991年 平成 3年 41歳 「琥珀の町」        芥川賞候補
「夜明けの桃 詩集」
1992年 平成 4年 42歳 「エンドレス・ワルツ」   女流文学賞
映画化:監督・若松孝二、町田康・主演(1995年公開)
1993年 平成 5年 43歳 「抱かれる」
1994年 平成 6年 44歳 「自殺者たち 一日一死 」  下川耿史共編著
1995年 平成 7年 45歳 「声の娼婦」        平林たい子文学賞
「月よりも遠い場所 私のmovie paradise」
「繭は緑」
1996年 平成 8年 46歳 「森の時代」
1997年 平成 9年 47歳 「ガラスの愛」
1998年 平成10年 48歳 「猫に満ちる日」
1999年 平成11年 49歳 「ミーのいない朝」    「水の中のザクロ」
2000年 平成12年 50歳 「ガーデン・ガーデン」
2002年 平成14年 52歳 「花響 はなゆら」    「母音の川 詩集」
2003年 平成15年 53歳 「風変わりな魚たちへの挽歌」    「午後の蜜箱」
2004年 平成16年 54歳 「南国の海で」      「私がそこに還るまで」
2005年 平成17年 55歳 「さよならのポスト」   「還流」
2007年 平成19年 57歳 「砂の肖像」
2008年 平成20年 58歳 「藍の満干」
「海松 (みる)」      川端康成文学賞
2010年 平成22年 60歳 「千年の恋人たち」    (川端康成文学賞受賞第一作)
短篇集「海松 (みる)」    芸術選奨文部科学大臣賞
2011年 平成23年 61歳 「半島へ」         谷崎潤一郎賞  第64回中日文化賞
2012年 平成24年 62歳 「唇に小さな春を」 「半島へ」   第7回親鸞賞
2014年 平成26年 64歳 「連作・志摩 ひかりへの旅」
春・紫綬褒章受章
これまでに発表された作品は、約40作に及ぶ。

雑誌「新潮」が、5月に創刊110周年・記念特大号を刊行した。創作特集や随筆、大江健三郎と古井 由吉、浅田彰と東浩紀による対談などを掲載し、執筆陣は総勢60人を超したそうです。その記念特 大号に「小説家の転機」と題する随筆特集に稲葉真弓さんは、「私が“ 覆面作家 ”だったころ」と題 する一文を寄せられ、生活に追われ「倉田悠子」のペンネームでアニメをノベライズ(=映画やドラマ、 漫画、アニメ、ゲームなどを小説化すること。)したことが有ったそうです。記念特大号の編集部、執筆者 ともに、気合を感じさせる内容だったそうです。出典・YOMIURI ONLINEホーム「本 よみうり堂」より